« 去年の今日の記録(白血病&骨髄移植闘病日記88days) | トップページ | 2006年4月19日 水曜日 »

2006年4月19日 (水)

骨髄移植のリスク

骨髄移植のリスクを以下のように分類しました。

1.前処置
(1)抗ガン剤投与
(2)放射線照射
2.移植後
(1)生着
(2)合併症
(3)GVHD
(4)再発

1.前処置
(1)抗ガン剤投与
私の入院した病院では、抗ガン剤としてエンドキサン(シクロフォスファミド)が大量投与されました。抗ガン剤投与の目的は、骨髄中の造血細胞の破壊です。通常抗ガン剤はガン細胞を破壊するために用いられるのですが、骨髄移植の場合はすべての造血細胞を、根こそぎ破壊しようとするものです。従って用いられる抗ガン剤の量も大量となります。
 私の入院した病院では、このエンドキサンを二日にわたって点滴投与されました。副作用としては、嘔吐、下痢等があります。また希にですが、膀胱出血、心筋炎などの症状が現れる場合があります。
 心臓への負担はかなり強いので、あらかじめ移植に耐えうるかどうか綿密な心臓検査が行われます。私の場合はトレッドミルで走らされました^^;。抗ガン剤の使用中は心電図を装着しました。また急な動作は禁止されました。例えばベットから起きあがるときは、ベットの電動を利用して、背もたれを起こして起きあがるなど・・・。
 膀胱出血のおそれのある人は、投薬中を通じて、出血しても大丈夫なように膀胱潅流(水で膀胱を洗浄する)が行われます。ちなみに男性の方は概ねかなり痛いと思います。
 この中で致命傷となるのは、希ですが心筋炎です。

(2)放射線照射
 抗ガン剤投与に引き続いて行われます。目的は抗ガン剤の場合と同じです。だめ押しってとこですかね・・・。私の場合1日1回、4日間に分けて照射をうけました。肺ガンにならないように肺は一部マスキングをします。また目は完全に遮蔽します。放射線の副作用は、吐き気です。抗ガン剤とはまた違った感じでした。強いて言えば船酔い?って感じかな。

 また、移植後に発生するのですが、前処置の影響として口内炎、消化器官の炎症などがあります。
 さらにはすぐにではありませんが、将来二次癌の発生する場合も考えられます。

2.移植後

(1)生着不全
 希ではありますが、ドナーの骨髄がレシピエントに生着しないことがあります。最悪の場合は死亡に至ります。
 生着までの期間は、人によってまちまちですが、移植方法によってもかなり異なります。通常の骨髄移植法ですと平均2週間ほどで生着します。末梢血法ではもっと短期で生着となりますし、臍帯血はもっと遅くなります。以前は臍帯血法は生着しない場合が結構多かったのですが、最近では他の方法と遜色無いほどのレベルになっていると聞き及んでいます。

(2)合併症
ⅰ)VOD(微小血管血栓症)
 移植後、早期に肝臓の微細血管が閉塞し、肝不全をおこす場合があります。発生は希ではありますが、死亡に至るケースが多いそうです。

ⅱ)敗血症
 細菌感染によって引き起こされる重篤な感染症の1つです。細菌が血流に乗って全身に広がり、様々な臓器が障害を起こします。

ⅲ)肺炎
*CMV;サイトメガロウィルスが原因の肺炎です。
*カリニ肺炎;カリニ原虫が原因の肺炎です。
*薬剤性肺炎;
*細菌性;例えばアスペルギウ(ル?)スによるもの。
*原因不明の肺炎。
いずれの肺炎も、最悪の場合は死亡に至ります。

ⅱ)、ⅲ)は免疫力低下が原因です。通常かからない病気に簡単に罹患してしまいます。

また感染症にはヘルペス感染症や出血性膀胱炎などもありますが、命にかかわるようなことはないと思います。

(3)GVHD
和名は移植片対宿主病といいます。移植した骨髄に由来するリンパ球が、レシピエントの体を異物と見なして攻撃してくることにより、様々な臓器が障害を受けます。

ⅰ)急性GVHD・・・90日以内に起こるGVHDです。
攻撃対象となる部位は、皮膚、肝臓、消化器などです。このGVHDを避けるために免疫抑制剤を使用するのですが、HLAのマッチングが悪い場合などに発症することがあるそうです。重傷のGVHDの場合は、死亡に至る場合もあります。重いGVHDを発生させないことが大事ですが、発症した場合は免疫抑制剤の効き目を強くして治療を行います(ステロイドの使用)。

ⅱ)慢性GVHD・・・90日以上経過後起こるGVHDです。
急性との明確な区別は無いようですが、急性より、より広範囲に症状が現れます。

皮膚 ; かゆみや赤く腫れたりします。ひどい場合は、皮膚が硬化したり、収縮したりします。日光の紫外線によって症状がひどくなりますので、日光に当たらないようにします。SRの場合は、体全体の皮膚が弱くなり、刺激を与えると簡単に赤くなったり、出血したりします。顔の皮膚は特に弱いようで、ポロポロと自然に皮がむけてきます。いまは特に治療はしていません。これって一生直らないのかなあ?

目 ; 涙が出にくくなります。眼球の炎症や角膜炎に気をつけます。SRの場合は、当初は病院で目薬をもらっていました。今は市販の目薬を使用しています。

唾液 ; 唾液が出にくくなります。口内炎の様な症状になる場合もあります。SRは、いまだに口の中が、はれぼったい状態です。初期のうちは、刺激物とか熱いものがだめでした。いまは大丈夫?かな??

関節 ; 関節の可動域が狭くなったり、痛くなったりします。SRの場合は、特に肩関節をやられてしまいまして、かなり不自由な状態です。整形病院に行きましたが、老化だと言われてしまいました!! ショック。

肝臓 ; 黄疸や慢性肝炎の様な症状を呈します。SRは免疫抑制剤を停止してから、肝臓の値(ALT&γGTP)がずっと高めです。治療は特にしていません。もし治療するとなれば、免疫抑制剤を再び使用することとなりますので、このまま自然治癒を待ちます。

肺 ; まれですが、間質性肺炎となる場合があります。予後はあまりよくありません。SRは特に症状は出ていません。

免疫不全;移植後は多かれ少なかれ免疫不全の状態ですが、ひどくなると膠原病のような症状を呈します。

慢性GVHDの治療方法は、局所療法および急性の場合に準じます。

ⅲ)GVL効果
GVL=graft versus leukemia、宿主片対白血病
GVHDは移植した骨髄に由来するリンパ球が、レシピエントの体を異物と見なして攻撃してくることですが、この攻撃は残存している白血病細胞に対しても行われます。すなわち白血病の再発防止に効果があります。GVLとGVHDは不分離な作用ですので、特異的にGVLだけを生じさせることは、残念ながらできません。つまりある程度のGVHDは、再発防止のために必要となります。
 このGVL効果を積極的に採用した治療方法が、DLI(DLT;ドナーリンパ球輸注法)です。

以降についても順次説明を加えていきたいと思いますが、本日はここまでをアップいたします。

ⅳ)GVHDと合併症は相関性あり

(4)再発

合併症等の一覧表を下図に示します。
表の拡大表示には、下記URLをクリックして下さい。

http://spiritualworld.cocolog-nifty.com/1/various_sicknesses.JPG

(現れた表にマウスを持っていきますと、拡大マークが出ますので、クリック拡大してご覧下さい。)

↓骨髄移植のアウトライン(概略)の説明です。
http://www.jikei.ac.jp/hematolo.1/hsct/allo_recipient.html

骨髄移植リスクについの詳細な説明は、こちらにも載っています。
子供用ですが、大人の場合もほぼ同じと考えられます。

http://www.med.hokudai.ac.jp/~ped-w/BMTsetumei.htm

|

« 去年の今日の記録(白血病&骨髄移植闘病日記88days) | トップページ | 2006年4月19日 水曜日 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 骨髄移植のリスク:

« 去年の今日の記録(白血病&骨髄移植闘病日記88days) | トップページ | 2006年4月19日 水曜日 »